さらば、走るホテルこと寝台特急あさかぜ号。

 3月1日のJRグループ同時ダイヤ改正に合わせて、また昭和の勇姿が姿を消すことになった。
 通称ブルートレインとしてお馴染みの寝台特急が全盛期だった頃には「走るホテル」と呼ばれて人気だった寝台特急あさかぜ号が今日39年の歴史に幕を下ろすのである。
 元々は、東京〜九州間を結ぶ列車である、一時は2往復(東京〜博多と東京〜下関)のときもあったが、乗車率の低下により最後は東京〜下関の1往復のみだった。
 わたしも昨年の5月の最終週から6月の最終週まで5回にわたって、木曜日の深夜(日付は変わって金曜日)に東京へ出張するため大阪駅からこのあさかぜ号が出発したあとに到着する新型の寝台特急サンライズ瀬戸・出雲号(0:37発)に乗っていた。
 たしかに、先の0:30に出発するあさかぜ号は途中米原駅で後続のサンライズ瀬戸・出雲号に抜かれることもあり、5週間にわたって木曜日の深夜に見ている限りではまばらだった。
 大阪駅から乗る乗客も、どちらかと言えば後続のサンライズ瀬戸・出雲号に乗る人の方が多かった。
 よって、寂しくはあるがこの廃止は、時代の流れと言わざるをえないだろう・・・。
 そして、日付は3月1日となった午前0:30の大阪駅11番ホーム。
 いつもは、深夜でもあるので大阪駅全体で静かな状態になるが、今日ばかりはいつものこの時間の何十倍にもなる見送り客であふれた。
 「さらば、走るホテルあさかぜ号」
 この最終列車の出発で、またひとつ昭和の勇姿が遺産へと移って行ったのである。
 明日の深夜からは、サンライズ瀬戸・出雲号が同じ時刻の0:30に大阪駅を出発することになる。